弁理士試験の選択科目の選び方

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弁理士試験の論文式筆記試験には「選択科目」があり、どの科目を選ぶかは学習効率に大きく影響します。社会人として働きながら受験を目指す方にとって、この科目選択は見落としがちな重要な戦略ポイントのひとつです。


この記事でわかること

  • 弁理士試験の選択科目の概要と6科目の特徴
  • 免除制度の仕組みと活用方法
  • 科目別の選び方の考え方と比較
  • 令和9年度(2027年度)以降の制度改正の内容

本記事の内容は一例であり、理解度や学習環境によって成果には個人差があります。


弁理士試験における選択科目の位置づけ

弁理士試験の論文式筆記試験は、「必須科目」(特許法・実用新案法、意匠法、商標法)と「選択科目」(6科目から1科目を選択)で構成されています。選択科目の試験時間は1時間30分で、満点の60%以上が合格基準とされています(出典:特許庁公式サイト)。

選択科目は試験全体の中では比重が小さく見られがちですが、論文必須科目の対策と並行して準備が必要なため、早い段階から方針を固めておくことが大切です。

試験全体の難しさについては、令和6年度の最終合格率が6.0%、令和7年度が6.4%という数字(出典:特許庁公式発表)からも伝わります。だからこそ、選択科目をどう攻略するかが受験戦略の一角を担います。


選択科目の6科目一覧と試験範囲

選択科目は以下の6つです(出典:特許庁公式サイト)。

科目名 主な試験範囲
理工Ⅰ(機械・応用力学) 材料力学、機械力学、流体力学、熱力学 など
理工Ⅱ(数学・物理) 微積分、線形代数、力学、電磁気学 など
理工Ⅲ(化学) 物理化学、有機化学、無機化学 など
理工Ⅳ(生物) 細胞生物学、分子生物学、遺伝学 など
理工Ⅴ(情報) アルゴリズム、情報理論、計算機科学 など
法律(弁理士の業務に関する法律) 民法(財産法を中心とした範囲)

それぞれの科目で問われる深さや出題形式は異なり、自分の専門背景に合った科目を選ぶことで、効率的な準備が期待できます。


免除制度を先に確認しよう:最終合格者の多くが免除者

選択科目対策を始める前に、まず確認したいのが免除制度です。

修士・博士の学位を取得している方や、以下に挙げる公的資格の保有者は、選択科目の試験が免除されます(出典:特許庁公式サイト)。

免除対象となる主な資格・学位の例:

  • 修士号・博士号の取得者(専攻を問わない)
  • 技術士
  • 薬剤師
  • 応用情報技術者
  • その他、特許庁が定める公的資格保有者

一度選択科目に合格(または免除認定)されると、その後の受験では永久に免除されます。

特許庁の公式情報によれば、最終合格者の多くが免除制度を活用している傾向があります。大学院修了者や技術系の公的資格を持つ社会人受験者であれば、まず自身の学歴・保有資格を確認するところから始めてみてください。


科目の選び方:バックグラウンド別の考え方

免除が受けられない場合、どの科目を選ぶかは受験生にとって大きな判断です。以下では、代表的なバックグラウンド別に考え方を整理します。

理工系出身で専攻科目がある場合

大学・大学院で学んだ分野に対応する科目(理工Ⅰ〜Ⅴ)があれば、その科目を選ぶのが自然です。既存の知識を活かせるため、学習の立ち上がりが早いケースもあります。ただし、専攻と完全に一致していなくても、関連する分野であれば対応できる場合もあります。

理工系出身だが専攻に合う科目がない場合

機械・化学・生物の専攻があった方でも、社会人として時間が経過しているケースでは、「一から学び直しやすい科目はどれか」という視点も大切です。数学的な素養がある方には理工Ⅴ(情報)が選択肢のひとつとして挙がることがあります。試験範囲がアルゴリズムや情報理論を中心としており、教材が比較的入手しやすい点もポイントです。

文系出身または理系に苦手意識がある場合

法律(民法)は、理工系の知識がなくても取り組みやすい科目のひとつです。受験予備校が対策講座を充実させている傾向があり、体系的に学びやすい環境が整っています。また、試験当日は法文の貸与が認められているため、暗記の負担が一部軽減されます。

学習量は多い科目ですが、社会人でも通信講座を活用しながら学習を進めやすい科目のひとつです。


科目別比較表:選び方の視点を整理する

以下は、主要科目を選ぶ際の視点を比較した表です。

比較項目 理工Ⅴ(情報) 法律(民法) 理工Ⅰ〜Ⅳ
向いているバックグラウンド 情報・数学系、IT職 文系・法律経験者 各専攻の理工系
予備校講座の充実度 中程度 充実している傾向 科目による
試験当日の法文貸与 なし あり(民法) なし
学習時間の目安 個人差が大きいため目安値は記載していません 個人差が大きいため目安値は記載していません 個人差が大きいため目安値は記載していません
社会人の対策しやすさ 通信教材が活用しやすい 講座・テキストが豊富 専攻者に限り取り組みやすい

※学習時間は個人の習熟度や学習環境によって大きく異なります。各予備校が公式案内に目安値を掲載している場合は、各予備校の公式サイトを参照してください。

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令和9年度(2027年度)からの制度改正:受験予定者は要確認

特許庁は令和9年度(2027年度)以降の弁理士試験について、選択科目の試験範囲の見直しを発表しています(出典:特許庁公式サイト)。

主な変更内容として、受験者数が少ない一部の選択問題(流体力学、土質工学、回路理論など)が廃止・統合される方向で調整が進んでいます。

受験予定の方が押さえておきたいポイント:

  • 理工Ⅰ(機械・応用力学)など複数の選択問題を持つ科目では、試験範囲が変わる可能性があります
  • 変更後の試験は基礎的な内容を中心に再編される予定とされています
  • 2026年度以前に受験する方は現行制度が適用されます
  • 改正後も「一度合格すれば永久免除」のルールは継続される見込みです

2027年度以降に受験する予定の方は、特許庁(https://www.jpo.go.jp/)の最新情報を定期的に確認することをおすすめします。試験勉強を始める前に、自分が受験する年度の制度を確認しておく習慣をつけておくと安心です。


通信講座・応用情報技術者試験を組み合わせた戦略

選択科目の負担を減らすひとつの方法として、「免除につながる資格を先に取得する」というアプローチも検討に値します。

特に応用情報技術者試験は、IT業界で働く方や情報系の学習経験がある方にとって取り組みやすい試験とされており、弁理士試験の選択科目免除の要件にも含まれています。

あるITエンジニアの受験者は、弁理士試験の学習を始める前に応用情報技術者試験を取得し、選択科目の対策を省略することで、論文必須科目と短答式試験の学習に集中できたと話していました。このように「選択科目をどう処理するか」を先に決めることで、全体の学習計画が立てやすくなります。

社会人が弁理士試験に取り組む際は、長期的な学習計画が必要な試験であることを念頭に置きながら、自分のキャリアや学習リソースに合わせた戦略を考えることが大切です。


まとめ:選択科目の選び方の次のアクション

弁理士試験の選択科目は、以下の流れで考えてみてください。

  1. まず免除資格・学位を確認する:修士・博士号の保有や、応用情報技術者試験などの取得済み資格があれば、免除申請の検討を最優先にしてください。
  2. バックグラウンドに合わせて科目を絞る:文系・法律に親しみがある方は民法、IT・情報系の方は理工Ⅴ、その他の理工系専攻者は対応する科目を検討してみてください。
  3. 2027年度以降の制度改正を把握する:特に理工系科目を選ぶ場合は、特許庁の最新情報を確認してから決定する方が安心です。
  4. 通信講座の選択科目対応状況をチェックする:民法は対策講座が充実している傾向があるため、どの講座が自分に合うかを複数比較してみてください。

選択科目は適切な準備を行うことで取り組みやすくなる科目です。まずは自分の状況を整理するところから始めてみてください。


免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定のサービスを推奨するものではありません。試験制度・合格基準・免除要件等は変更される場合があります。受験にあたっては必ず特許庁(https://www.jpo.go.jp/)の公式情報をご確認ください。本記事の内容は一例であり、理解度や学習環境によって成果には個人差があります。


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